材料についてのはなし_粉もの編
本日は材料についてのお話を。
金継をする時、漆以外にも色んな材料を使いますが、結構粉ものが多いです。
例えば、錆などに使う砥の粉や地の粉だったり、色漆を作る顔料だったり。あとは私は使わないのですが、接着の際に麦漆を使う方は、小麦粉を使います。
見た目、かなり地味ーな材料ですが、実はこの粉たち、結構重要なのです。
産地によって様子が全然違ったりしますし、粒子の細かさなど、ちゃんと吟味して選んで使う必要があります。特に漆が産業としてある場所には、その土地で取れるものを使っていることが多いです(一番有名なのは、石川県輪島市で採れ、輪島塗の下地に使われる「輪島地の粉」ですね)
漆に混ぜて練ったりする時も色々とコツがあって、油断すると、作業してる時は一見大丈夫そうでも、後々その影響がじわじわと出てきたりします。
「下地の練りだから、見えないところだし適当に混ざってればいいや…」とか、「漆になんとなく色がついてきたからいいや…」とか、妥協は許されないのです。
(故にいつも作業をしていると、心の中で漆のことを大先生と呼びたくなります…)
たかが粉、されど粉。油断は禁物です。
漆をやっている人には当たり前のような材料たちですが、一から金継を始める方には、材料を買いそろえるのはきっと大変なことだと思います。
材料は出来るだけ見て確かめて購入するか、難しければきちんとお店の方に詳しく確認した上での購入、もしくは一気に大量に買わないで、少量買ってみて試してみることをおすすめします(特に砥の粉などはkg単位での販売だったりするので、もしやりたい工程の材料にそぐわないものだった場合、きっと処分に困りますのでご注意くださいね)