お預かりした器のご紹介_金継

こんにちは。今朝は夜型の私にしては珍しく、朝5時前から作業をしていました。

夜中の物音一つしないシーンとした静けさもいいですが、朝の静けさの方が、体への負担が少なく、健康的で良いかもなあ…と朝型の生活サイクルに切り替えようかな、とあらためて思いました。

さて、本日は少し前に仕上がった、修理のご依頼を頂いた器のご紹介を。

今回のご依頼は、金継で仕上げました。

写真では見えなくて申し訳ないのですが、器の高台に金で繊細な線が描いてありましたので、統一感を持たせるために金で仕上げた次第です。

小さな浅めの鉢なのですが、金で仕上げたことにより、器全体に漂う上品な感じを壊さず、素敵に仕上ったかなと思っています(自画自賛ですね…笑)

今回の金継のようなピカピカの金仕上にするには、ざっくり説明すると、漆で線を描いたところに1gウン千円の純金の粉を蒔いて(くしゃみ厳禁!)、漆を塗って乾かして、炭で研いで、磨いてを何度も繰り返して仕上げています。磨くのは段階に応じて、磨きの粉を変えていき、徐々に艶が出ていくようにします。

写真だとただの金色の線に見えますが、この線の下には実は地道な何十工程もの作業が積み重ねてあります。しかも、どの工程も失敗出来ないので、各工程を確実に積み重ねた上で完成します。油断したり手を抜くと、遅かれ早かれ影響が出てくる可能性があるのです。漆の前では、妥協など許されません。

怖いものの表現として「地震・カミナリ・火事・親父」という言葉がありますが、私の中では「地震・カミナリ・火事・漆」です(笑)

*金継のご依頼はa.mano4103@gmail.com、もしくは東京都港区の器屋さん、百福までお願いします*