金継の下に潜むもの…続き

先のブログで金継の下に潜んでいる仕事が実は重要…という話を少しさせていただいた、その続きです。

金継はパッと見きれいに仕上がっていても、表面に見える部分の下が着実に一つ一つの工程を積み重ねられていないと脆いものなのです。

例えていうならば、家を建てるときもまず建てる場所の土地にきちんと基礎工事をしてから、土台や柱を組んで、屋根や壁の工事をして…と順を追って丁寧に作業が進んで行きますよね。金継も同じで、破損した部分を糊漆で接着して、時間をかけて漆風呂で乾かして…と進んで行きます。工程もやるべき順番が決まっていますし、一つ一つの作業に気が抜けません。

金継を含め、漆の仕事は下にどんな工程を経て仕上がっているのかは、慣れている人には見た目で把握できる部分もありますが、本当のところは仕上げたものを割ったり剥がしたりしない限り、ちゃんと分からない部分が往々にしてあるのです。

今後金継されたものを写真で見たり、実際に手に取る機会がありましたら、表面の仕上げに惑わされずに、是非その下に潜んだ部分も意識していただくと、その施された金継の仕事にどの程度奥行があるか、感じることが出来ると思いますので是非試してみてくださいね。

*金継のご依頼はa.mano4103@gmail.com、もしくは東京都港区の器屋さん、百福までお願いします*