【お知らせ】みんなの金継ぎ@にっぽんてならい堂

こんにちは。少々遅ればせながらですが、皆さまにお知らせです。

この春から、日本全国のモノづくりを体感することを集めたセレクトショップ、にっぽんてならい堂さんと一緒に金継ぎの基本を探るワークショップ「みんなの金継ぎ」が始まります。縁あって教室の監修を担当させて頂くことになりました。

ワークショップを今月末から開始するのですが、ワークショップ記事とは別途、私の金継ぎだったり漆だったり、その他諸々?の小話も連載します。

こちらのブログと重複する内容のときもあるかもしれませんが、お暇な時によろしければ是非ご覧ください。

ちなみに、にっぽんてならい堂さんは日本各地でいろいろなワークショップをされています。最近開催のものでは、京都でお座布団を作ったり、新潟県の燕で金属をたたいてぐい呑を作るなど、さまざまです。そちらも併せてご覧ください(見ていると全部参加したくなりますのでご注意を…)

電球の灯り。

このところ、お仕事で某有形文化財の建物に毎週通っています。

毎週建物の前に着いて扉をガラガラっと開けると、なんとなく「帰ってきた」感というか、ほっとする雰囲気があり、お伺いする日がとても楽しみになっています。

建物の中は、昔のままなのか、あえてなのか不明ですが、照明が皆写真のタイプのランプで統一されています(昔風に言うなら、「ランプ」と言うより「電傘」でしょうか)

夜はこの照明だけだと建物内はかなり暗いのですが、電球の灯りには蛍光灯の煌々とした灯りにはない何か、があるように思います。夜を白熱球の灯りで過ごすと、なんとなく時間の経過をゆっくりしみじみと、豊かに過ごすことが出来る気がするのです。

我が家の照明は部屋を暗くすると、仕事柄困る&家族の生活に支障が出るため、今のところほぼ蛍光灯一色です。でも、いずれ自分の家を持つことがあったら、白熱球の灯りだけで暮らしてみたいです。

とはいえ、きっと実際家の照明を白熱球にしたら、ほの暗い灯りの中でうとうと居眠りするのが癖になるのがオチな気がします(笑)

お預かりした器のご紹介_漆仕上

早いもので、今日から3月ですね。随分暖かくなってきて、歩いていると木の枝にちょっとづつ芽が膨らんでいたりして、春の到来を感じます。

実はこのところ心身共にヨレヨレで疲れ切っておりました。ですが、何年も手を出せずにいた養命酒(かなり大人の味でした…)を飲んでみたり、なんやかんやしてどうにか復活しました。

春も近いことですし、ア〇マル浜口のように気合を入れて、頑張りたいと思います。

さて、写真は先日仕上がった、マグカップの修理です。持ち手が3つに折れていたのを漆で和紙を貼って補強し、その上から器に合わせた色の漆を塗って仕上げました。

持ち手は指をかけて器を持つ際、力がかかる大事な部分になるので、修理には結構気を使います。破損した部分の接着面が少ないので接着の作業も大変ですし、接着の後に持ち手の内側を研いだりするのも、指が入らず色々と工夫する必要があります。

持ち手の内側は見えにくく目立たない所ではありますが、手を抜かず毎度頑張って仕上げております。

漆かぶれのお話_その4

こんにちは。2月も終盤にさしかかり、暖かい日はダウンの上着を着ることも少なくなってきました。受験生はまだまだ試験を受けたり、追い込みの勉強を続けたり大変な時期でしょうか。頑張っている皆さんに春が来ることを祈るばかりです。

さて、今回は漆かぶれの実体験のお話をさせて頂こうかと思います。先の記事にもかかせていただきました、「生漆」で大学生の時に思い切りかぶれたことがあります。

最初に手に漆がついていたのを、あまりきちんときれいに落とさないで放置した後、数日して手や腕に小さな水疱ができていました。何だかムズムズするな…とポリポリ掻いていたら、あっという間に腕~顔に水疱が広がって、肌がパンパンに腫れ上がりました。あまりの痒さに耐えず、皮膚科へ行き、「漆に触らないでね」とドクターストップがかかりました。(想像しただけでかゆいかも…?痒くさせてしまったらすみません…)

この漆かぶれの痒さは何とも表現しがたく、ふつうのむずむずした痒さとは異なります。例えるならば、肌の奥に何かがうごめいている感じでしょうか…。

しかもすぐに痒くなることは無く、1,2日置いてから痒くなり、その後数週間くらいは治るのに時間がかかります。少しでも痒いなあ…と思ったら、あまり触ったり掻いたりせず、早めに皮膚科へ行ってくださいね。

漆かぶれのお話_その3

こんにちは。ここ数日暖かい日が続いていますね。…とはいえ、まだまだ朝晩は冷えますので、マフラーぐるぐる巻き&帽子&手袋完備で行動しています。

さて、今回も前回に引き続き、漆かぶれのお話です。

今回はかぶれやすい漆の種類と、かぶれる時期のお話です。

漆には透明な漆、色のついた漆など色々と種類がありますが、特にかぶれやすい種類の漆があります。それは金継の接着に使う糊漆や、漆塗りの下地などに使う「生漆」が一番かぶれやすいです。

ちなみに、他の種類の漆でも「漆」であることには変わりないのでかぶれる可能性はありますが、度合いとして…のお話です。透漆や色漆などは精製されていますが、生漆はゴミや不純物を取り除いただけなのでよりかぶれやすいのです。

また、かぶれる時期は、まだ先にはなりますが、夏の毛穴が開いているときが一番かぶれますのでご注意ください。(毛穴が開いている、となると季節関係なくお風呂上りなどもかぶれやすいです…)

次回は、漆かぶれの痒さをご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、実体験のお話をさせて頂きます。読むだけでムズムズ痒くさせたらごめんなさい!

漆のかぶれのお話_その2

こんにちは。前回から引き続きの漆かぶれのお話です。

「漆」と聞くと、「かぶれる!」という方程式が頭の中で出来ている方も多いかと思います。漆にかぶれる原因は、漆に含まれる主成分の「ウルシオール」が、人の皮膚のたんぱく質と反応して起こるアレルギー反応で、漆が乾こうとするときにかぶれます。

敏感な人だと、漆の作業をしている空間にいるだけでかゆくなるという方も稀にいらっしゃいますが、今まで何度かワークショップなどさせて頂いた方たちで、かぶれたというご報告はまだいただいていません。(痒くなるのに時差があるので、お家で痒くなっていたらといつも気がかりです…)

漆にかぶれるのを防ぐには、勿論肌につかないのが一番なので、汚れが付きやすい腕や手を出来るだけ防御することです。あとは漆は油があると乾きにくいので、事前に肌に油分のあるクリームを塗ってから手袋をはめたり、アームカバーをしたりするのが良いと思います。(※ちなみに、クリームなどが付いた手で触ったところは、漆を塗っても乾かなくなるので要注意です)

もしも作業をしていて手などについてしまったら、出来るだけ早く油などでふき取って、よく洗ってください。私も最近腕についた漆をあまりきれいにふき取らずにそのままにしていたら、久々にかぶれました…。かぶれは体調にもよるので、体が疲れていたのかもしれません。

次回は、かぶれやすい漆の種類や、かぶれやすい時期の話をしてみたいと思います。

花粉症→漆かぶれのお話。

先週節分も終わり、立春を迎え、これから新たな春に向かいます。日も徐々に長くなってきていますね。

この時期になると、花粉症の方はしんどい季節が始まるな…と憂鬱になると思います。何を隠そう、私もその一人なのです。。

この時期になると、周りが杉の山に囲まれていることもあり花粉が飛びまくっていて、毎朝花粉症の父が「車が花粉でまっきっき(真っ黄色)やで~」といらないお知らせをしてくれます(その言葉を聞くだけで、鼻がむずむず…苦笑)

誰か家の周りの杉を引っこ抜いて、山ごと花粉症にならない木に植え替えていただけないでしょうかね…まあ到底無理な話なので、脳内の妄想でとどめます(笑)

さて、今回は花粉症→アレルギー→という流れで、漆かぶれのお話をさせて頂きます。漆はよくかぶれる、というお話を聞くかと思います。その理由はご存知でしょうか。

意外とご存知ないかも?と思いましたので、次回から数回に分けてさせて頂きますね。(聞くだけで痒くなったらすみません…)

二月突入。

こんにちは。いよいよ二月に入りましたね。

ついこの前までお正月だったような気がしているのですが…年が明けると本当に早いで

すね。このスピードで時が流れると、気が付いたら浦島太郎のように老人になってしま

っているのではないかと思ってしまいます。

この時期は寒いうえに受験シーズン突入で、これから美大受験であろう子を見か

けると(経験者は持ち物で分かるのです…そして荷物運ぶの、結構しんどいのです)、心

の中で応援してしまう自分がいます。

さて、昨日お仕事で都の文化財に指定されている、素敵な建物にお邪魔しました。

築60年程経っている木造の建物で、昔は寮として使われていたようです。梁や建具など

随所に昭和を感じ、とても気持ちが落ち着く空間でした。わたしもここに住みたい…と

よだれを垂らしながら、うろうろとしていました。

…が、素敵な建物具合が私の撮影の腕とが足りなかったり、よい撮影ポイント!と思う

と逆光だったりしてどうにもうまく撮れなかったので、建物の一角に飾られてたお花の

写真でご想像を(苦笑)

金継の展示に行ってきました

年末に「松屋で金継の展示をやっているんだ…」と知りながら、都心に行く機会がなく延ばし延ばしにしていたのを、お世話になっている方にお知らせを頂いたので、「このタイミングで行かないと、多分行かないで終わるな…」と思い、先週久々都心に出ついでに銀座まで展示を見に足を運んでみました。

会場は松屋銀座7Fデザインコレクション脇のコンパクトなスペースでしたが、壁面に金継の写真をプリントして器と組み合わせたり、古い器やいろいろな仕上げの物を展示したりと興味深い展示になっていました。

展示を見ながら、あらためて金継ぎは一括りに金継ぎと言えど、仕上げる人によって、本当に人それぞれで全然違うな…と感じました。工程や材料もそうですし、金継ぎされている線の筆運びもその人らしさが出るところなので面白いです。

今回の展示会の器の金継をされた方はグラフィックデザインをされている方なので、繊細できれいな感じに仕上げるのが好みなんだろうな…とか、器が高そう…私には買えないな(涙)、…何より松屋で展示って場所代いくらかかるんだ?などと、下世話な事も含め(笑)、いろいろと考えながら見ていました。

松屋の展示は、お知らせのタイミングが悪くて申し訳ないのですが、今日で終わってしまいました…すみません。

金継をよく知らないけどご興味のある方は、こういった展示を見に行かれると、「金継ってこういうものなんだ」と知ることが出来ますし、金継をされている方が見ると、自分の金継と比較して見ることが出来て面白いと思います。是非足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

私も去年に引き続き、金継した器を見て頂ける機会を作れたら良いなと思っておりますので、また機会がありましたらお知らせしますね。

今年初めての梅。

今日、今年初めての梅を見ました。

まだまだ外は寒いですが、ほんのちょっぴりだけ春を感じてほっこりしました。

(これからが冬本番、雪もまだまだ心配です…)

夜、家に帰って自分が梅を見た話をしようとしたら、普段花など興味なさそうな父が

「今日歩いてたら、〇〇の近くで梅見たわー。もう2月やしなあ。

梅が咲いたら、次はももやなあ…」と突然言いだし、タイミングの良さに笑いました。

血のつながった親子なので、何やかんや通じるものがあるんですかね。不思議なものです。

そんな父は、最近ようやく「金継」という言葉を覚えたようで、

「この前何かで見たで…かなつぎ」と報告してくれたので、

私が「か、かなつぎ…?きんつぎって言ってなかった?」といったら、

「かなつぎって言うてたで」と何度も言っていたので、何を見たのかちょっと心配です。笑

*金継のご依頼はa.mano4103@gmail.com、もしくは東京都港区の器屋さん、百福までお願いします*