漆かぶれのお話_その3

こんにちは。ここ数日暖かい日が続いていますね。…とはいえ、まだまだ朝晩は冷えますので、マフラーぐるぐる巻き&帽子&手袋完備で行動しています。

さて、今回も前回に引き続き、漆かぶれのお話です。

今回はかぶれやすい漆の種類と、かぶれる時期のお話です。

漆には透明な漆、色のついた漆など色々と種類がありますが、特にかぶれやすい種類の漆があります。それは金継の接着に使う糊漆や、漆塗りの下地などに使う「生漆」が一番かぶれやすいです。

ちなみに、他の種類の漆でも「漆」であることには変わりないのでかぶれる可能性はありますが、度合いとして…のお話です。透漆や色漆などは精製されていますが、生漆はゴミや不純物を取り除いただけなのでよりかぶれやすいのです。

また、かぶれる時期は、まだ先にはなりますが、夏の毛穴が開いているときが一番かぶれますのでご注意ください。(毛穴が開いている、となると季節関係なくお風呂上りなどもかぶれやすいです…)

次回は、漆かぶれの痒さをご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、実体験のお話をさせて頂きます。読むだけでムズムズ痒くさせたらごめんなさい!

漆のかぶれのお話_その2

こんにちは。前回から引き続きの漆かぶれのお話です。

「漆」と聞くと、「かぶれる!」という方程式が頭の中で出来ている方も多いかと思います。漆にかぶれる原因は、漆に含まれる主成分の「ウルシオール」が、人の皮膚のたんぱく質と反応して起こるアレルギー反応で、漆が乾こうとするときにかぶれます。

敏感な人だと、漆の作業をしている空間にいるだけでかゆくなるという方も稀にいらっしゃいますが、今まで何度かワークショップなどさせて頂いた方たちで、かぶれたというご報告はまだいただいていません。(痒くなるのに時差があるので、お家で痒くなっていたらといつも気がかりです…)

漆にかぶれるのを防ぐには、勿論肌につかないのが一番なので、汚れが付きやすい腕や手を出来るだけ防御することです。あとは漆は油があると乾きにくいので、事前に肌に油分のあるクリームを塗ってから手袋をはめたり、アームカバーをしたりするのが良いと思います。(※ちなみに、クリームなどが付いた手で触ったところは、漆を塗っても乾かなくなるので要注意です)

もしも作業をしていて手などについてしまったら、出来るだけ早く油などでふき取って、よく洗ってください。私も最近腕についた漆をあまりきれいにふき取らずにそのままにしていたら、久々にかぶれました…。かぶれは体調にもよるので、体が疲れていたのかもしれません。

次回は、かぶれやすい漆の種類や、かぶれやすい時期の話をしてみたいと思います。

花粉症→漆かぶれのお話。

先週節分も終わり、立春を迎え、これから新たな春に向かいます。日も徐々に長くなってきていますね。

この時期になると、花粉症の方はしんどい季節が始まるな…と憂鬱になると思います。何を隠そう、私もその一人なのです。。

この時期になると、周りが杉の山に囲まれていることもあり花粉が飛びまくっていて、毎朝花粉症の父が「車が花粉でまっきっき(真っ黄色)やで~」といらないお知らせをしてくれます(その言葉を聞くだけで、鼻がむずむず…苦笑)

誰か家の周りの杉を引っこ抜いて、山ごと花粉症にならない木に植え替えていただけないでしょうかね…まあ到底無理な話なので、脳内の妄想でとどめます(笑)

さて、今回は花粉症→アレルギー→という流れで、漆かぶれのお話をさせて頂きます。漆はよくかぶれる、というお話を聞くかと思います。その理由はご存知でしょうか。

意外とご存知ないかも?と思いましたので、次回から数回に分けてさせて頂きますね。(聞くだけで痒くなったらすみません…)

二月突入。

こんにちは。いよいよ二月に入りましたね。

ついこの前までお正月だったような気がしているのですが…年が明けると本当に早いで

すね。このスピードで時が流れると、気が付いたら浦島太郎のように老人になってしま

っているのではないかと思ってしまいます。

この時期は寒いうえに受験シーズン突入で、これから美大受験であろう子を見か

けると(経験者は持ち物で分かるのです…そして荷物運ぶの、結構しんどいのです)、心

の中で応援してしまう自分がいます。

さて、昨日お仕事で都の文化財に指定されている、素敵な建物にお邪魔しました。

築60年程経っている木造の建物で、昔は寮として使われていたようです。梁や建具など

随所に昭和を感じ、とても気持ちが落ち着く空間でした。わたしもここに住みたい…と

よだれを垂らしながら、うろうろとしていました。

…が、素敵な建物具合が私の撮影の腕とが足りなかったり、よい撮影ポイント!と思う

と逆光だったりしてどうにもうまく撮れなかったので、建物の一角に飾られてたお花の

写真でご想像を(苦笑)

金継の展示に行ってきました

年末に「松屋で金継の展示をやっているんだ…」と知りながら、都心に行く機会がなく延ばし延ばしにしていたのを、お世話になっている方にお知らせを頂いたので、「このタイミングで行かないと、多分行かないで終わるな…」と思い、先週久々都心に出ついでに銀座まで展示を見に足を運んでみました。

会場は松屋銀座7Fデザインコレクション脇のコンパクトなスペースでしたが、壁面に金継の写真をプリントして器と組み合わせたり、古い器やいろいろな仕上げの物を展示したりと興味深い展示になっていました。

展示を見ながら、あらためて金継ぎは一括りに金継ぎと言えど、仕上げる人によって、本当に人それぞれで全然違うな…と感じました。工程や材料もそうですし、金継ぎされている線の筆運びもその人らしさが出るところなので面白いです。

今回の展示会の器の金継をされた方はグラフィックデザインをされている方なので、繊細できれいな感じに仕上げるのが好みなんだろうな…とか、器が高そう…私には買えないな(涙)、…何より松屋で展示って場所代いくらかかるんだ?などと、下世話な事も含め(笑)、いろいろと考えながら見ていました。

松屋の展示は、お知らせのタイミングが悪くて申し訳ないのですが、今日で終わってしまいました…すみません。

金継をよく知らないけどご興味のある方は、こういった展示を見に行かれると、「金継ってこういうものなんだ」と知ることが出来ますし、金継をされている方が見ると、自分の金継と比較して見ることが出来て面白いと思います。是非足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

私も去年に引き続き、金継した器を見て頂ける機会を作れたら良いなと思っておりますので、また機会がありましたらお知らせしますね。

今年初めての梅。

今日、今年初めての梅を見ました。

まだまだ外は寒いですが、ほんのちょっぴりだけ春を感じてほっこりしました。

(これからが冬本番、雪もまだまだ心配です…)

夜、家に帰って自分が梅を見た話をしようとしたら、普段花など興味なさそうな父が

「今日歩いてたら、〇〇の近くで梅見たわー。もう2月やしなあ。

梅が咲いたら、次はももやなあ…」と突然言いだし、タイミングの良さに笑いました。

血のつながった親子なので、何やかんや通じるものがあるんですかね。不思議なものです。

そんな父は、最近ようやく「金継」という言葉を覚えたようで、

「この前何かで見たで…かなつぎ」と報告してくれたので、

私が「か、かなつぎ…?きんつぎって言ってなかった?」といったら、

「かなつぎって言うてたで」と何度も言っていたので、何を見たのかちょっと心配です。笑

お預かりした器のご紹介_金継その2

こんばんは。今日・明日は都内近郊も大雪になるんじゃないかと、天気予報でも連日ニュースで流れていましたね。私は数年前の大雪の時を思い出し、一人ひやひやしていましたが、東京・神奈川周辺はこの週末は、ひとまず冷え込むのみで雪は大丈夫なようですね。(西日本は雪が降っているようですね…生活に支障が出ていないことを祈っております)

さて、インスタグラムと前後してしまっていますが、またもや先日お納めした器のご紹介です。

白い小さめのマグカップの縁がちょっぴり欠けていたところを、金継で仕上げました。欠けたところは漆で作ったパテのようなもの(コクソ)で埋めて、ヒビは漆を染み込ませてあります。

シンプルなマグカップですが、金で仕上げたことで、どことなく上品な雰囲気になりました。

持ち主の方から、早速お使いいただいていて、年始もこのマグカップでコーヒーをお飲みになったとご連絡をいただきました。

修理させていただいた器が、また持ち主の方のお手元に戻り、再び日々の生活でお使いいただけることを私もとてもうれしく思います。

*写真の器の仕上げ:金継

お預かりした器のご紹介_金継

こんにちは。このところ益々寒さが増し、冬本番に入った気がします。

私の住んでいる町は冬は寒さは厳しいのですが、空気の澄んだ空に広がる朝焼けと、夜の星空は格別で、それを楽しみに毎年冬を過ごしております。

これからの時期は、雪問題も心配ですね。雪が積もりすぎて数年前に陸の孤島になって、生活が大変でしたので、今からびくびくしております。

さて、今回は以前お納めした器のご紹介です。

お茶碗の縁が欠けたところを金継ぎしました。

最初は器の見込みの釉薬の感じに似た溜塗での仕上げにされる予定でしたが、予定変更で金継をお選び頂きました。

器に馴染む仕上げも良いですが、やはり金で仕上げると、なんとなく風格が漂いますね。ただ、金で仕上げるといやらしくなってしまったり、ちぐはぐになってしまうものもあるので、難しいところです。

ご依頼の際はお悩みでしたら、いつでもお気軽にご相談くださいませ。

(※まずは御見積りだけでもお気軽にどうぞ!)

*写真の器の仕上げ:金継

あけましておめでとうございます

大分遅ればせながらですが、あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

お正月は皆さま楽しく過ごされたでしょうか。

私のお正月は、甥っ子姪っ子にバドミントンをまるで部活の如く、

日が暮れるまで付き合った結果、何日も筋肉痛が抜けませんでした(ご老体。笑)

でも久々体動かしてリフレッシュさせてもらい、ありがたかったです。

昨年は特に後半体調崩しがちだったので、今年は忙しい日々ですが、

暇を見ては体力づくりを少しづつしたいと思います。

何をするにも体は資本。

外は寒いけど、とりあえず歩こうかな。

お預かりした器のご紹介_白漆仕上

こんばんは。かなりご無沙汰しております。しばらくばたばた忙しいのと、体調悪くなるのとの繰り返しで、気が付いたら師走になっておりました。

しかももういくつ寝ると…も容易に数えられる、カウントダウンも始まる年の瀬。時間の流れの経過が早すぎて、びっくりしております。(朝になったら、もう白髪のおばあさんになっているのではないか…?と思ってしまう時もあります。笑)

そんな中、少し前ですが納品させていただいた修理のご紹介を。ちょっと前ですが、納品させていただいたお湯呑です。

20年ご夫婦で愛用されていたもので、お湯呑の作者は今も現役で器を作っている作家さんだそうなのですが、今は同じものは作られていないとのことで、修理のご依頼を頂きました。

奥様のお湯呑は縁にかなり欠けが多かったので、補強も兼ねて縁全体に漆を塗り、ご主人のお湯呑は元々の欠けと割れを生かして仕上げました。白漆の色が思ってたより濃いめに出ましたが、お湯呑の高台の色に合って、器の持つ優しくて柔らかな雰囲気に馴染んでいるかな…と思っています。

これからの時期、お湯呑で温かいお茶などいただきながら、仲良くこたつで仲睦まじいお時間を過ごしていただけたら良いな…と考えていたら、なんだか気持ちがほっこりしてきました。

これまで20年お二人の生活に寄り添ってきたお湯呑が修理を終えてお手元に戻り、また今後も以前と同じように引き続き日々の生活の中で楽しんでお使いいただけることを祈っております。

*写真の器の仕上げ:白漆仕上

*金継のご依頼はa.mano4103@gmail.com、もしくは東京都港区の器屋さん、百福までお願いします*